木の葉天目茶碗

U 「木の葉天目茶碗」”質問”回答集   17.12.5 更新

   興味がお有りの方はご覧下さい。  ここを!

T 陶芸月間雑誌「陶遊」の記事に掲載 

 平成14年3月、陶芸雑誌「陶遊」社から我が家で取材を受け、6月号に特集「木の葉天目誰でも焼ける
が掲載された。  その全文を5回に分けて掲載することにします。
 この6月号は、現在は売り切れ中で、皆さんから掲載を要望されていた。

第1回 表紙、見返り、本文(51、52ページ) 
第2回 本文(52、53、54,55、56ページ) レベルー1
第3回 本文(56、57ページ)          レベルー2    15.11.7
第4回 本文(58、59ページ)          レベルー3    15.11.11
第5回 本文(60,61,62,63ページ)    レベルー4    15.11.15

                                   本文は拡大写真を載せました。 

木の葉皿が大写しで! 表紙 光彩の宴 (見返し)
表紙 見返し 51ページ 52ページ
p53 p54 p55
レベル2−1 レベルー2−2
p53
レベルー2−1
レベルー2−2
58ページ
59ページ


U 「木の葉天目茶碗」の焼成 質問・回答集  17.2.15     
日 付 質  問  内  容 備考
18年
12月9日

斉藤様

質問 


 岡本様のホームページを拝見して益々お元気に陶芸にオカリナ&縦笛等の
同好会などで大活躍のご様子嬉しく思っております。今年も後ほんの僅かになってまいりました。
私のほうは陶芸を時々、文化財のガイド(伊丹は西国九州と京の道すがら戦国時代人馬の響き賑わいて・・・)
などの奉仕活動にくれております。 ところで現在も木の葉天目の作品制作に苦心されておりますでしょうか?
それとも、もう達人の域に達せられて、ほかの作品に手をつけられているのでしょうか。

 この度、私たちの陶芸クラブで、全員ではありませんが木の葉天目を一度試してみようということになりました。
ところが希望者が非常に多いため出来れば全員が良い作品を作るには・・・ということになったのですがプロトタイプ
といえる条件が不明です。木の葉天目によらず陶芸の作品は”こうすれば立派な作品が必ず出来ますよ”という
法則があるわけのないことは分かっているのですが、岡本様の方法でムクの葉を固定、素焼きをして(500℃ 保持時間 0)、
灰をとりだし、釉薬をつけた皿にのせて本焼き(最高温度1238℃、保持時間 0)をしてみました。
窯の(寸法 縦横 120*60cm)2段を使って30個ほどをおいて(温度分布に差異があるので)みました。
葉っぱが明確に焼きついたものが、2/3 ありましたので、結果は悪くありませんでした。
太い葉脈(A)がきちんとでて、これならと思うものと、太い葉脈の間に白い斑点の(鉄のケイ酸塩らしい)多い(B)もの
を添付しておきました。太陽光のもとで撮影すればよかったのですが、あいにくの天候で室内での撮影ですから
あまり良くありません。同じ窯の中で、条件は同じなのにどうしてこんなことになるのでしょう。何の違いによるものか
アドバイスを頂けませんでしょうか。
 勿論、岡本様のほうでこれならという処方箋がありましたら、お教えください。
今後のご活躍を期待しております。

回答(18.12.8)

斉藤様

木の葉の焼付けに励んで居られる姿に接し、嬉しく思っています
また、ご質問までいただき、有り難い限りです

「葉っぱが明確に焼きついたものが、2/3 ありましたので、結果は悪くありま
せんでした。」

最高の出来だと思います

「 太い葉脈(A)がきちんとでて、これならと思うものと、太い葉脈の間に白
い斑点の(鉄のケイ・・・同じ窯の中で、条件は同じなのにどうしてこんなこと
になるのでしょう。何の違いによるものか
> アドバイスを頂けませんでしょうか。」

私にも良く分かりません
最近、他に興味が移って木の葉は時々・・・

私なりのコメントをさしていただきますと

@灰葉の状態で悪い方は既にその兆候が有ったと思います 〜ぼこぼこ気味!〜
  その原因が私にも掴めていません
   ・葉に原因か? ・押さえが悪いのか? 
   薄い葉では、そうなり難いのでは無いかと考えていました
   しかし、つい、大きな立派な葉を焼き付けたくなり・・・
A押さえ具と陶器の間の間隔を少なくして、しかも葉が灰化する時に葉が自由に
  縮むことが出来るようにしてやるかだと思います
Bぼこぼこ気味の灰葉のものは捨てるか? 勇気を持って捨てる!
  そうすると100パーセントに近づくと思います
Cその為には、素焼きに入れることを薦めます
  ・素焼きに入れて、灰葉の良いものを本焼きすると2度手間が少なくて済む
   と思います
  ・灰葉が悪かったものは灰葉を捨ててしまい、そのまま本焼きをして次の素
   焼きで同じことを繰り返す・・・

「太い葉脈の間に白い斑点の(鉄のケイ酸塩らしい)多い(B)もの」
  
  分かりません
  
訳も分からないことをご返事させていただきましたが、少しでも参考になれば有
り難いです

次回は新メールのアドレスでお願いします

陶芸の岡ちゃんのホームページ
皆さんの木の葉コーナー(トップページ中段上を見ていただけると嬉しいです
また、今回いただいた木の葉の写真も載せさせていただきます)
http://www.toyous.net/

これから、また焼き付けられるようでしたら、結果をお知らせいただくと助かり
ます

岡本詔一郎

お礼の返事

 岡本様
 早速のお返事大変有難うございました。陶芸というのは本当に
沢山の Factor がありすぎて出来上がりの良し悪しは神のみぞ知る
としか言いようがございません。ご忠告に従って注意をしながら努力

してみます。今後ともよろしくお願いいたします。


年 月 日 質 問 内 容 回答 (主にメール)  備 考
17年
12月5日
掲載

初めまして、

アメリカ、シカゴに40年間、在住しております。
美校を卒業してCAD・装飾デザイン関係の
会社を経営していましたが、やっと、(隠居)
仕事から、離れて、現在、コミュ二テー・カレッジ
で、3年前から、作陶にハマッテいます。
実は、”木の葉”天目を知りたくて、検索中に、
toyosuさんのホームページを見ました。
現在は、釉薬のお勉強で頭痛ですが、皆さんの
お仲間に入れて頂けると、嬉しいです。
私は、旅カラスで、アフリカ・中近東・中国など
飛び歩いています。10月には、モロッコに居ました。
イスラムのデザインには、繊細な幾何学模様に感銘。
今後とも、陶作に努力? よろしく、 (掲示板に書き込んでいただいた2005、11,26 15:31)


木の葉焼きに関心を持っていただき有難うございます。
木の葉に挑戦して5年ほどになります。
木の葉の焼き方を「陶遊」の取材を受けて、「陶遊」30号に特集で出てますのでご覧下さい。
雑誌社の許可を得て、その内容をホームページにアップしています。
http://toyous.my-rise.net/konohatenmokutyawan.htm

http://toyous.my-rise.net/konohatenmokutyawan.htm
17年
5月21日
質問関連
(斉藤さん)
5月21日

岡本様
  先日は御丁寧な御返事有難うございました。
 市の施設でのクラブ活動としてやっておりますため、制作・窯焼・施釉などが
自分勝手には出来ません。連絡を頂いてからスタートしましたが、焼き上がり
までに時間がかかりました。出来上がりましたものを、写真でお送りしますので
もし、アドバイス頂けるのでしたらお願いいたします。
 何年か前に、枯れ落ちる直前の椋の葉を使って、深く考えず、市販の黒天目
釉薬を塗布して(濃い目)1250℃で焼いたものがA木の葉焼-1と-2です。この時は
なーんだ木の葉天目なんてヤサシーイものなんだと思ったのですが、その後は秋になる

と葉っぱを採取して試みてはきたのですが、木の葉天目らしいものになったことが
ありませんでした。完全に自信をなくしていましたところに、岡本様の書かれた本を見て、
あのような御迷惑なE−メールをさし上げたような訳で御座いました。
 三年前の秋に採取した椋の葉を使用してテストピースに黒釉・黒天目・そば釉を
塗布し、500℃で焼いた椋の葉残渣(灰)をのせて1240℃(公称)で焼いたものです。

昨年秋には椋の葉を採取しておりませんし、比較できるものではありません。
どれを見ましても良い物はありませんし、釉薬を薄目にし過ぎた(葉っぱの成分が
釉薬中に分散するのを恐れて)のが悪いのか、温度が適当でなかったのか、色んな
ファクターの中で何が原因かさっぱりわかりません。もし椋の葉自身に原因があれば
今年の秋に採集して制作するのが良いのかもしれませんが。
岡本様はたくさんの経験をお持ちのようですから、何かお気付き点があればお教え
下さい。

5月21日の上の回答の返事 
5月21日


速のアドバイスの御返事有難う御座いました。
色んなファクターを妙に考えずに無心に試みるのが良いの
じゃないかと思いますので、やってみます。
1つ質問がありますので、お教え下さい。
1240℃で最高温度になった後、保持時間はどれくらいとれば
よろしいでしょうか?
 質問についてはどうぞ御使い下さい。読まれた方の誰かが
良いアイデアをだしてくれることを祈っております。
                 

5月21日

斉藤様 
木の葉の問い合わせ有難う御座います。

 一回目の作品は完璧です。
これを思い出してその通りにして見ると良いと思います。
 私も一回目は何とか! 斉藤さんの一作目ほどでは有りませんが焼けました。
しかし、二作目はまったく出ませんでした。 従って、三作目は原点に返って丁
寧にやり直しました。 その結果、何とか! その後は、少しづつ改善改良を繰
り返して今に至っています。
 参考になればの意見
 @一作目:申し分なし。 (私もこん良いのは焼けたことが有りません。)
 Aその他:
  ・釉薬について
    黒、黒天・そば共に何とか出てるので、使えると思います。
    問題ありません。 どれかに絞ってやられたら良いと思います。
      斉藤さんが一番好きな色で!
 A木の葉:問題ありません。
  ・一回目に採取した木の葉を使うことを薦めます。
    はっきりしませんが、木によって多少違うようです!?
  ・採集の時期は余り気にしないで良いと思います。
    若い葉でも焼きついていますので!
 B焼き付け方:
  ・押さえ具を努めて葉にくっ付ける努力が必要です。
    縮れ防止!
  ・半分ぐらいに葉が縮みますので、縮むことが出来る程度に隙間を空けて置
   く。
  ・上二つの兼ね合いが大切です。
 C葉を置く時期:
  ・素焼きが終わり、釉薬を掛けて、その上に木の葉を
   私は置いています。
 D釉薬の濃さ:さほど私の場合は問題としてません。
  ・溝掛けでやった時に、その差は余り出ていません。
 E焼成温度:
  ・私は設定温度を1240度でやってます。
 ところで、岡ちゃんのホームページに、木の葉の質問回答を載せていますが、
斉藤さんの質問を載せて良いでしょうか?
 至急返事をお待ちしています。
                               以上です。

左の回答に対する返事 
5月21日

また焼けたら、お送り下さい。
 楽しみにお待ちしています。
 皆さんの写真コーナーに斉藤さんのも載せさせていただきました。 皆さんの
も有りますので、参考にしていただけると幸いです。
 http://toyous.my-rise.net/konoha_ko-na-.htm


斉藤さん 
1240度の保持時間の件を回答するのを忘れていました。
15分程度です。 
窯の大きさによって変わってくると思います。
 質問集にメールのやり取りを書かせていただきます。
       

17年
4月28日
質問関連
(斉藤さん)
4月28日

岡本様 
 私は現在JRの事故で有名(?)になっております伊丹市の住人で市の陶芸クラブ
に所属して拙い焼き物を作っておるものでございます。岡本様のホームページで
「木の葉天目は誰でも作れる」を読ませていただきました。パチンコの玉・治具の使用など
アイデアに富んだ椋の葉固定の方法と500℃で焼成を止めて葉脈を残す方法は試みて
なるほどと思いました。中々都合よく葉っぱの固定ができました。しかしその後天目釉の
組成をどうするか又焼成温度のコントロールを何度にしてやるか等の点で再現性のある

結果を得ることができません。ファクターが多いことで難しいことは分かっているつもりですが
もし、黒天目釉を使用して木の葉天目を焼成する場合、使用釉薬のぜーゲル式(?)と焼成の
温度コントロールデータ(例えば最高温度・保持温度・保持時間等)教えて頂くことが

できるのでしたら、お願いしたいのですが。焼成した葉っぱ縮まないように黒天目上に

確実に固定出来る条件などはないでしょうね。経験の上での再現性のある一例でもお教え
願えればと思ってE−メールを差し上げました。


4月30日

斉藤様 
メール有難うございます。
まず、私からの質問ですが、もう焼いたのですか? 焼かれたようでしたら、一
番良い作品で送って下さい。 それと上手く行かなかった作品もお願いします。
では質問にお答えします。
 釉薬に付いては、私は市販のものを使ってるので、正直言って良く分かりませ
ん。 また黒天目は難しかったので、現在はそば釉でやってます。 
 木の葉の固定は器と木の葉がなるべく隙間が無いようにすることと木の葉が縮
む隙間を確保することです。
 温度はさほど関係ありません。 低目を薦めます。
 取り敢えず、ホームページに書いているやり方で焼かれて、写真を送って下さ
い。 そうすれば何か参考になることが言えるかも知れません。
 一度、焼き付けられればしめたもので、その後は工夫しながら、やって行く訳
です。
 返事待ってます。
                              岡本詔一郎
17.2.15

(福島さん)

岡本詔一郎様

 ご指導有難うございます。
早速ですが、私の新しいホームページ(第13報 第1章 (5))に記載しましたが、そば釉で実施したところ、葉脈の根本を除くと、木の葉が黒くなってしまいました。
 そば釉の関係でしょうか、それとも、椋の葉と思って焼いたのが、違っていたのか、自信がなくなりました。
 私のホームページをリンクしていただき有難うございました。私のほうも、今回の改訂版に先生のホームページをリンク先 にさせていただきましたのでよろしくお願いします。
 福島




 
お久し振りです。メール有難うございます。 

木の葉の作品見させて頂きました。 
 釉薬に原因が有ると思いますが、溶けすぎのようです。
一度、温度を極端に下げて焼かれると原因が分かって来ると思います。
その為には、窯の温度分布を考えて、低い所、高い所、中間に置いて見ては!
 それと、釉薬の濃さも同様に加減して掛けて見てはどうでしょうか!
 取り合えず、この両方でやられたら良いと思います。