地球環境に学ぶ       2016年活動報告     ところざわ倶楽部

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生ごみ処理方法の変革について



                              2016-09-27     記 塚本 二郎


 現在、家庭から排出される生ごみは、自家処理される方を除いて、市の回収・処理ルートにのせ、燃やせるごみと

して焼却処理されています。この生ごみを資源として活用するため、微生物の力で嫌気発酵させ、発生したメタンガ

スを発電や熱としての利用方法が確立されてきました。

 ここで紹介する長岡市の実例の見学機会を得ましたので、この概要を報告いたします。


長岡市 生ごみバイオガス発電センター見学記


 本年も埼玉エコ・リサイクル連絡会のお世話で研修見学会に参加させていただきました。生ごみのバイオガス化シ

リーズの3回目になります。


①大田区城南島 バイオエナジー(株) 事業系ごみ 生ごみ処理量 100t/日

②土浦市 日立セメント(株)神立資源リサイクルセンター 120t/日(内、家庭系20t/日)

③長岡市 生ごみバイオガス発電センター 65t/日(家庭系40t/日、事業系25t/日)


 今回の研修見学先は以下の理由から他の自治体にとって非常に参考になると思います。

・各自治体ともごみ焼却炉が経年劣化しており、その対策に苦慮しています。この実例を自分達に置き換え検討する

ことが比較的取り組みやすく、この例のようにごみ焼却炉を含めた既存設備が同一構内か至近距離にあれば、バイオ

ガス発生設備を主とし、焼却炉を従と考え運転管理を効率的に行えると思います。


 当日は前半が座学、後半が工場内見学で進められました。座学では案内パンフ(カタログ)の説明、施設紹介DV

Dの放映と事前に提出した質問の回答という形で行われました。

 この案内パンフ(カタログと記述されています)、施設紹介動画(9分)ともWebで検索出来ますので次に書い

ておきます。



 「長岡バイオキューブ」または「長岡市 生ごみバイオガス化事業」などで、非常に情報量が多くあります。年間

3,000人の全国からの見学者があり、情報を多く提供される姿勢が伺えます。工場見学はバイオ関連の範囲をご案内

いただきました。



<全体を通じての感想>

1.既存の施設がごみ焼却施設だけでなく、リサイクルプラザ・し尿前処理施設や隣接する浄化センターなど市の施

 設が集まっているので相互に補完し合っています。臭気・騒音対策はそれぞれでやっているようですが、周りが川

 や水田などで人家から離れているのも特徴かも知れません。

2.発酵残さ肥料化の問題 担当の方の個人的見解との注釈があり、検討はしたものの

・肥料の需要の確保に難点・食品の安全性への不安等から固形燃料として販売する事にしたそうです。(残さを脱水

・乾燥粒状化し石炭の7割程度の熱量を持つ燃料としてのリサイクルの道を選んだ。)この乾燥の熱源もガスエンジ

 ンの排熱を利用している。資源の乏しい国として肥料化は検討すべき重要事項であろうと感じています。


3.生ごみの収集について 週2回生ごみ収集があり、別の日に週1回の燃やすごみの日がある。燃やすごみの日に

 生ごみを一緒に出す人がいるが、余り文句を言わないようにしている。(この生ごみは焼却している)。


4.なぜ長岡市がバイオガス化を取り入れたのか、誰の考えか?との質問で

 もともと新潟県は天然ガス産出県でメタンの採用に抵抗感の少ない考え方が一般的でなかったか。下水汚泥からの

 発酵メタンガスを北陸ガスに販売している実績もある。


5.コスト比較の質問に対して いま各自治体の知りたがっていることは、現状のごみ焼却方式を継続した場合、バ

 イオガス化施設を主に焼却は補助的か、又はその中間か。

FITのあとも考え、売電か熱供給か、他の自治体との協調があるのか、最終処分場のことも考えておくべきか・・・

など考える要素は多い。  (見学日 2016.8.26)
  





鮮明な書類はここをクリックしてご覧下さい。


 



受入室・受入ホッパ


不適物除去装置

 

調整槽層


 収集車で集めた生ごみを受入貯留装置へ
 投入します。

 破砕した生ごみから、ポリ袋や紙おむつなど
 の発酵不適物を選り分けます。選り分けた不
 適物は、隣接する寿クリーンセンターに送
 り、焼却処分します。
 
 発酵に使う生ごみ(発酵物)は、水を加
 えた後、ポンプで混合槽、さらに調整層
 へ送ります。調整槽は、発酵槽で一定量
 のガスを発生させるために、発酵槽に生
 ごみを定量で送る役割があります。



発酵槽


ガスホルダー

 

ガスエンジン発電機


 発酵槽内は、微生物が働きやすいように約
 40℃に保ち、大量のバイオガス(メタン
 ガス)を発生させます。上部には撹拌ミキ
 サーが付いています。

 発生したバイオガスは、脱硫装置で硫化水素
 を除去した後、一旦このガスホルダーに蓄え
 、発電用のガスエンジンや乾燥機の燃料とし
 て使います。バイオガス発生量8,900N㎥/
 日。
 
 発電システムは、ガスエンジンと発電機
 で構成し、バイオガスを燃焼させてガス
 エンジンを動かし、その力で発電機を回
 して、発電します。発電機は560kWで
  ,発電量は12,300kWh/日。


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