■実施日:2020年10月20日(火) 10:00~12:00
■会場: 中央公民館 1・2号室 参加者:20名
コロナ禍で活動を中止していましたが、少し緩和されたので久しぶりに講演会を開催することになり、感染予防対策を講じ規模を縮小して実地致しました。
講師の深井隆正氏は創業安政三年の老舗で、武蔵野の味を守り続けている醤油メーカーのご子息です。
「所沢の食文化」を語るには、所沢の背景を知る必要があり、所沢の自然環境は、武蔵野台地(狭山丘陵地)で関東ローム層で、腐葉土が蓄積していないので、稲作(水田)がなかった為、陸で陸稲を作った。陸稲はパサパサして白米として食べるにはあまり美味しくないので、人の知恵や工夫を重ね、粉にして、こねて、武蔵野うどんが誕生した。
特徴はコシが強くのど越しがよく太め。季節の野菜を糧(かて)としてうどんと一緒につけ汁につけて食す。うどんは正月、盆、冠婚葬祭に振舞われ、当時はうどんを打つのは男性の仕事で、“うどんも打てない婿だ”と馬鹿にされたとの言い伝えがあったようです。
所沢名物の「焼きだんごは」、鷹狩りに来た太田道灌(1435~1486)に出したところ、大層喜ばれた事がルーツとのことです。今では「所沢焼きだんご申し合わせ事項」が八条あり、その中でヘーと思ったのをご紹介します。
一条 竹串は青竹を使用し5寸5分(約16cm)、下から1寸(3cm)のところに節があり、青竹のついた
1分(3mm)角であること。
二条 1串4コのだんご、そのうち上と下のだんごは直径1寸のまん丸で、中の2コは直径8分の丸だんご
とする。
三条 醤油は所沢産のヤマホ(深井醤油)に限る。
四条 隠し味として、一割の酒を混入すること。
五条 毎月5日は久米の水天まつり。お産の神様で嫁さんお姑さんの参拝が多いので、女性のみ参拝帰りに
子持ちだんごの大サービス。
六条 2本で一皿、3銭。(明治~大正時代の初め、1日の労働の対価は60銭)
七条 包装は必ず経木で包み、冷やしてから新聞紙にくるむ。
八条 だんご焼きの炭は「消し炭」に限る。
と厳しい約束ごとに驚きました。これからはこれらの事を思い出しながらかみしめて食べたいと思います。
所沢の名産はこの他「さつまいも」「狭山茶」「里芋」「冬人参」「ほうれん草」「春大根」「青梗菜」等々採れ、生産は県内で1~2位で全国的にも上位に位置しています。
所沢の新たな食文化は「ところざわ醤油焼きそば」「里芋コロッケ」「里芋焼酎」「地ビール」「ゆめところ(所沢の酒)」「所沢牛」等で所沢市の経済発展、まちづくりに寄与し、その一環として所沢の飲食店などのお買い得価格で巡る、街バルイベント「ソラバル」や所沢市商業観光課主菜で「ちょいバル」酒3種の飲み比べや地元料理を楽しめるイベントが開催されている。
最後に
「“想いを作りてから消費者へ”一人ひとりが地元の食に愛着と誇りを持ち、食文化に対する当事 者意識、参加意識を持つことが大切」
と想いを語られました。
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