食を通して所沢を知る会         活動報告          ところざわ倶楽部


「白ワイン~繊細の違いを味わう~」   

2021 -12-21   

■実施日: 2021年12月21日(火) 

■参加者: 7名  

■場所:  北秋津 「むい食堂」


「食トコ」の定例会を12月21日、「白ワインを飲み比べて繊細な味を味わう」と言うテーマでワインの持つ醍醐味を楽しみました。


 ワインはきわめて主観性の強い嗜好品です。有名で高額なワインよりリーズナブルな価格で手に入るテーブルワインの方が美味しいと、という方もおります。好みに合ったワインを自由に選び、楽しみ、味わう。それが一番良いでしょう。

 「ワインを楽しみ、味わう」ためにワインの原料となるブドウの品種を知ることを経験する。これにより少しワインの楽しみ方、味わい方が変わってくると思います。

 
ところで、白ワインの原料となるぶどうの種類を皆さんどれだけご存じでしょうか。世界的に見れば、最高峰といわれる白ワイン「モンラッシュ」があります。これを生み出すのが「シャルドネ」です。日本で一般的に名前が知られているのが「シャブリ」、これもシャルドネから造られています。

 
白ワイン用のブドウの種類は、幅広く流通している種類で約20種類くらいあります。各国の地場品種を加えると数百種類あるといわれています。主な品種は世界中で栽培されるシャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、ドイツを代表するリースリング、フランスでロワール地方を代表するシュウナン・ブラン、アルザスでゲヴェルツトラミネール、ピノグリ、ピノブランその他、ミュスカ、貴腐ワイン用のセミヨン、マスカット・オブ・アレキサンドリア、ピノ・グラージュ、マカベオ(スペイン)、バロミナ(スペイン)、ガルガーネガ(イタリア)などなどがあります。


 今日はその中から代表的なブドウ品種で造られた6種類の白ワインを用意しました。シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、ゲヴェルツトラミネール、リースリング、ミュスカそして日本の白ワイン「甲州」です。6種類は微妙で繊細な味の違いがあり飲み比べてワインの持つ醍醐味を味わいましょう。

 これからテーステイングを始めますが、ワインの味、香りは人それぞれの感性です。感じたままを記憶する、それを感じたままに書き留めておく、ということを忘れないでください。

 最初に、ゲヴェルツトラミネールからテースティングを始めましょう。

 ゲヴェルツトラミネールは日本でなじみの薄いワインです。この種のブドウで造られたワインは岩見沢の「鶴沼ゲヴェルツトラミネール」。これしか知りません。

 フランス、アルザス地方を代表するブドウ品種です。こんなにはっきりと印象に残る強烈な個性を持つワインはほかにありません。香水のような、ライチのような、アプリコットのような、トロピカルフルーツのような香りを持つワインです。ゲヴェルツはドイツ語でスパイスという意味らしい。一度このワインを飲んだら忘れられないでしょう。

 次は、ソーヴェニオン・ブランに移ります。ブルゴーニュ、ロワール、オーストラリア、カルフォルニアなど世界状で栽培されています。日本でも多くのワイナリーで造られています。サントリーの「津軽産ソーヴィニヨンブラン」は名が知られています。
 この味わいはグレープフルーツのような爽やかな香りが特徴です。口に入れるとぴりっと酸味が感じられます。
 このワインは速さが勝負といわれ、購入するときは、並んでいる中から1番ヴィンテージの若いものを選んでください、と書いてあるワイン本もあります。

 三番目は甲州種ワインです。日本を代表する白ワイン。このルーツはヨーロッパギリシャ周辺といわれ、シルクロードを通して伝わったと言われています。
 果粒も房も大ぶりな山梨県特有のブドウ品種です。果皮は赤みを帯びていますが白ワインの品種です。
 香りと酸味は淡く、みずみずしい味わいが特徴です。今日用意したのは山梨県のルミエールワイナリーのものです。山梨県、長野県の多くのワイナリーで生産されています。お値段はボトルで、1500円から高いのは5000を超えるものもあります。ぜひ、いろいろなワイナリーの「甲州種ワイン」を試してください。

 四番目はリースリング。ドイツを代表する白ワインです。このワインも世界のワイン産地で造られています。特にカルフォルニアでのリースリングは思いの外、良いという評判があります。
 シャープな酸味とミネラル感。若いワインはりんごやアプリコットの果実味を感じます。このワインも早飲みタイプです。ボトルの栓はコルクでなくSC(スクリューキャップ)も多い。なお、緑色のボトルはモーゼル川とその支流域、茶色のボトルはライン川流域。用意したワインはライン川流域で造られたワインです。

 次のワインはシャルドネです。
 若いうちに飲んでしますように造られているソーヴィニヨン・ブランやゲヴェルツトラミネールとは違い、年月をたっぷり掛けて味わうワインを生むブドウ品種です。オーク材で寝かされたワインは味が違います。
 本家ブルゴーニュ産「モンラッシュ」が名を知らしめ、そして世界中で栽培される「世界で最も卓越した白ワインの女王」がシャルドネです。「モンラッシュ」を試飲するのがベストですが余りにも高価なのでシャブリを用意しました。シャブリはブルゴーニュ、シャブリ地区で造られたワインです。日本ではモンラッシュよりシャブリの方が一般に名が通っているのではないでしょうか。

 シャブリは辛口ワインです。ドライ、フルボディ、おおらかな重厚な香味そして、レモンなどの柑橘類やリンゴなどの果実味があります。シャルドネは栽培される産地より酸味が押さえた感じやナッツやバターの香りが出てくるのもあります。カルフォルニア、オーストラリア産は気候で特徴がでたワインに仕上がっています。

 シャルドネで注意しなければならないことは、オーク材の中で熟成がないシャルドネは強い酸味があります。シャルドネだけは中途半端なものに手を出さない。

 6種類目はミュスカ。
 このワインはメジャーでないのですが大きな特徴があります。スペルはMuscat,マスカットブドウから造られるワインです。これまで5種類のワインをテースティングしてきました。ワインはブドウからできあがっていますが、原料のブドウの味はしません。しかし、ブドウの味がするワインはたったの一種類、ミュスカとその親戚から造られるものだけです。ということで、ミュスカはブドウの味がするワインです。このようなワインもある、と覚えておいてください。


 終わりに、これからオレンジワインが脚光を浴びると思っています。
 その名前からオレンジで作ったフルーツワインを想像してしまいますが、オレンジワインはワインの1種です。赤ワインの製造方法で造った白ワインです。世界中で流行しているといわれていますので近いうちに日本でも、と思っています。是非覚えておいてください。(文責・嶌田良彦)