■講座資料:
本年4月15日(土)野老澤町造商店2017年4月企画展「絵葉書から見る所沢飛行場の歴史」企画展で三上さんによるお話
会「所澤の町場と飛行場」の資料『空都:所澤の町場と所沢飛行場の歴史』を用意しました。
■講座の感想:
三上さんが作成した講座資料のあとがきに『所沢の町の発展の歴史の中で「所沢飛行場」が重要な部分を占めたこと、戦前の
日本の航空の教育・研究の礎となり航空界発展に貢献したことを多くの市民のかたに知っていただけたら幸いです』と書かれて
おります。
三上さんは、「所沢飛行場」をライフワークの最重要課題として取り組んでおります。毎年4月に野老澤町造商店で所沢飛行
場に関わる企画を試みており、その心情が伺えます。
今回受講者の年代的見て、講座の後半に話された「戦時中の町場と飛行場」「敗戦・基地の町へ」に関心を持たれた方が多か
ったと思います。
いくつかの事例を挙げます。戦時中は陸軍航空部の材料廠施設であった通称「南倉庫」が、戦後西武鉄道車両工場となり、そ
の跡地は所沢駅西地区再開発事業の中核的存在になっています。
所沢飛行場の飛行機見物、陸軍飛行学校で働く人たちのために武蔵野鉄道(現・西武池袋線)は松井駅(所沢飛行場駅に改名
)、西武鉄道(現・西武新宿線)は所沢飛行場前駅を、それぞれ昭和14年に開設しました。東所沢駅と駅名を変えた所沢飛行
場駅は昭和20年廃駅、御幸町駅と駅名を変えた所沢飛行場前駅は昭和27年米軍基地から軍需物資を輸送するため、北所沢駅
(現在の新所沢駅)を新設する引き換えに廃駅となりました。
戦時中、軍人の衛生保全のため、風俗取り締まりの便宜上遊郭が浦町有楽町に設置されましたが、現在でもその面影が残され
ています。
浦町の西洋料理屋「美好軒」はフォール大佐一行が飛行技術伝道のため来日した時「陸軍御用達」の店として賄いを任され、
軍の将校や皇室、家族、要人等が利用しました。
戦後、所沢に居を構えた者として、「所沢飛行場」の恩恵を受けた町の姿を見て、『空都』所沢の面影を追い求めた講座でし
た。
担 当:池田 衞 粕谷 眞