ところざわ倶楽部            活動報告    野老澤の歴史をたのしむ会


「所沢の河川・水路」の利用・歴史的背景を聴く


2017-12-14    記 小倉 洋一


■実施日:2017-12-07() 

■参加者:19名     ■場所:中央公民館 


 所沢を流れる代表的な河川・水路として、柳瀬川、東川、不老川、砂川堀などがある。平時はいずれも水量は少ないが、一旦台風などの大雨やゲリラ豪雨等が発生すると、一気に水位の上昇がみられる。
このような所沢の河川の状況について、市役所建設部河川課にお願いして出前講座で学びました。

 私たちの身近な市内を流れる河川・水路の概要は次の通りである。(延長距離は所沢市内のみ)

     名 称       延長

     柳瀬川      約16km
     東川       約12km
     砂川堀      約18km
     不老川      約0.2km

    その他市管理河川・水路  約95km


    
          東川・旭橋                砂川堀(小手指)                            


柳瀬川:
 狭山湖から流れ出る小流を水源として、かつては天然記念物のミヤコタナゴが生息していた。上流の上山口、久米や中流域の
城あたりでは水田も見られ水に恵まれた地域で、古くから人々の暮らしが営まれ縄文時代の住居跡など遺跡が豊富で、山口城跡
や滝の城跡など、中世の武士の館跡も見られる。流域では最近は水質の改善により、川遊びや水鳥の野鳥観察などが可能になっ
た。また、持明院近くの曼荼羅淵には河童が住んでいたといい河童の書いた「河童の詫び証文」の伝説がある。


東川:
 根古屋城の北麓付近から市内中央部を流れ城下橋先で柳瀬川に合流する。市街地を流れる部分は護岸がされているが大雨が降
ると頻繁に溢れるため平成4年の集中豪雨による浸水被害発生をきっかけに平成7年度から河川改修が図られ平成24年度に完
成した。地上を流れる河道の下に地下排水路がつくられ二重構造になっている。

 旭橋より下流は桜の名所としてしられ、夜はライトアップで川を覆う桜の見物客で賑わう。

砂川堀:
 狭山丘陵北麓の堀之内の湿地を水源として富岡地区を流れて富士見市で新河岸川に合流している。三ヶ島地区の砂川堀遺跡や
小手指ヶ原古戦場、駿河台遺跡など旧石器時代の史跡・旧跡が多く発見されている。
 青葉台地内から富岡中央道路までの約4kmの砂川堀は暗渠という地下水路となっている。
 所沢新町先までの3kmは地下10mの深さのところに最先端技術のシールド工法によって工事が行われた。

不老川:
 東京瑞穂町から入間市、所沢市、川越市を流れて新河岸川に至る河川で所沢市を流れているのは僅か約200mで西部クリーン
センター付近を流れている。かつては全国一汚れた川として不名誉であったが、官民一体となり下水処理水の再利用や河川浄化
施設の設置などが進められた結果改善されてきた。


 最後に市内を流れる水辺のサポーター制度について、所沢市が管理する河川・水路において水辺環境の維持・保全を図るボラ
ンティア制度がある。(一級河川の柳瀬川、東川、不老川については埼玉県の「川の応援団」制度がある。)私たちも身近な川
の環境整備に努めていきたいものである。


    
                           講師:渡辺雅之主査、木村憲次主査

 

                                       担当 : 沖本 則之・小倉 洋一