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旧島田家住宅(三芳町)前の井戸の案内板に掲示されているカヤ湯の絵写真
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1 |
むかしむかし所沢は水の不便な土地でした。
ある暑い夏の日のことでした。上富の多福寺の近くのあるお百姓の家に商人が立ち寄り
「少し休ませてくださらんか」と声をかけました。
遠方から歩き続けてきたらしく、大変疲れた様子でのどもかわいているようでした。
お百姓は「お暑いなか大変ですのう、さあどうぞど
うぞ入ってお休みなんしょ」と、
家の中へ招いてくれました。
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2 |
お百姓は「何もねえが、まあ水でも一杯あがりなせい」と言って、とっても冷たい水を
持ってきてくれました。
「これはありがたい… 甘露 甘露、うまいうまい」
と言って一気に飲み干しました。
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3 |
商人は、汗をふきふき、ふと奥の方の土間を見ると、百姓がカヤで体を拭いていました。
たずねると「ここらは台地で水が少ないので、朝はカヤで汗を拭き、垢を落とすんです」と言いました。
毎日、遠くの川まで何度も水を汲みに行くのが重要な仕事でした。
お百姓が出してくれた水は、大事に大事にしておいた水だったのです。
商人は、ただただ頭の下がる思いでいっぱいでした。 |
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チガヤ
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