この夏から秋に、四度上野の森へ足を運んだ。
四度目の今回はフェルメール展を鑑賞して後、興奮気味の頭を冷やそうと思い森の中をブラブラ散策した。
「鑑賞後は話し相手が欲しくなるなあ(鑑賞はいつも一人と決めている)」
西郷隆盛の銅像、月の松、彰義隊の墓、不忍池、弁天堂などなど散策した。お昼時なので精養軒で一つ覚えのハヤシライスを食べようと思ったが、財布には5,000円のみ、躊躇していたら鐘が鳴った。
鐘撞き堂はここにあったのかあ…。
「花の雲鐘は上野か浅草か」芭蕉の句である。堂は鐘がならねばありかが分からないなあ、樹に隠れた小さな丘の頂にあった。上野大仏が在った高台に登ってお坊の打つ鐘の姿を撮ろうとしたが逆光であった。音が何度も響てくる。スマートフォンで録音できるじゃないかと思いついたが遅かった。
高台には、在りし日の大仏殿と銘された写真板があった「…大仏は江戸時代以来、地震や火災に見まわれた。幕末の上野戦争では辛くも被害を免れたが関東大震災でお顔が落ちてしまった…」
写真板には子規の句があった「大仏を埋めて白し花の雲」。
上野東照宮の参道に建てられたぼたん苑へダリアを観に入ることにした。
今が盛りと色とりどりのダリアが咲いていた。“アリス”、“ダリアコンペ”、大輪“山開き”等々の名札が添えてあるが面倒になったのでメモは止めた。
能書きはやめにして花を愛でよう。
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