ところざわ倶楽部          投稿作品       エッセイ&オピニオン

自宅でできる面白科学実験(1)

~中華麺の色が変わる~
                                                      
                                                         2016 3 -21   
記 玉上佳彦

  小学生の子供達が目を輝かせる面白科学実験を紹介します。

  以下の方法で実験して、お孫さん達に科学の興味を持ってもらえると幸いです。


〔準備するもの〕
  
   紫キャベツ(1/4程度)、中華麺(かん水を含む蒸し焼きそばが適)、レモンまたは食酢



〔実験の手順〕

1.紫キャベツを1cm程度にザク切りする。

2.鍋に適量の熱湯で、ざく切りした紫キャベツを煮出し、ザルで濾して、紫色の抽出液を作る。

3.かん水が含まれている中華麺を皿に用意する。

4.さました紫色の抽出液を、スプーン等で中華麺にふりかけて、色を観察する。

5.黄色の中華麺が薄い緑色が変わったことを確認する。

6.更に中華麺にレモン汁(食酢でも可)をふりかけて、色を観察する。

7.緑色になった中華麺が、ピンク色に変わることを確認する。

8.その後は、フライパンで普通の方法でソース焼きそばを作り、食べることができます。

9.添付の粉末ソースを加えると、焼きそばの色は本来の色になります。紫キャベツ抽出液やレモン汁は

  食品原料なので、食べても安全です。


〔色が変わる理由〕

紫キャベツには、アントシアニンというpHで色が変わる物質が含まれています。抽出液に溶出された

アントシアニンは、アルカリ性で緑色から青色に変化し、酸性では、ピンク色から赤色に変化します。

中華麺には、かん水というアルカリ性の塩類(炭酸ナトリウムが主成分)が含まれているので、抽出液を

滴下すると緑色に変化します。この上にレモン汁を滴下すると、酸性になり、ピンク色に変色するのです。

アントシアニンは、ブルーベリー、プルーン、ぶどう、ナスなどの植物に含まれていますので、同じような

変色実験ができますが、紫キャベツが最も使いやすい原料です。


      
  この画像をクリックするとpdfファイルで                             見ることができます                                                                



もし、会員の皆様で、お孫さん達に上記の実験を見せる機会があれば、是非お試し下さい。このような科学の

現象に興味を持ち、理科を好きになる子供達が増え
て、未来のノーベル賞学者(?)が誕生することを期待したいと

思っています。


私は、高校の理科の教員免許を持っていますが、実際の勤務実績は、わずか2年間だけでしたが、友人の紹介で、

2010年から板橋区と墨田区の小学校の理科支
援員をしてきました。理科支援員というのは、主に小学校高学年の

理科実験の準
備、授業補助、片付けなどの半ばボランティア的な仕事(若干の報酬はありますが)をしてきました。

現在も墨田区の小学校で、理科支援員の仕事と、更に要請されて、理科の授業や、先生方への実験の指導なども

おこなっています。子供達や若い
先生方とこのような形で接するのは結構楽しいものです。


今回紹介した焼きそばの変色実験は、授業ではなく、墨田区のある小学校でのクラブ活動として指導したもので、

子供達に大好評で、興味を持って楽しんでくれた実験の
一つです。

この実験の詳しい内容は、GoogleやYahooで「紫キャベツ 中華麺
 変色実験」などの語句で検索して下さい。

結構有名な面白科学実験なので、詳細
を説明したサイトが多く出てきます。



最近の小学校では、担任の先生が非常に多忙であり、理科の実験ができない先生も多いので、私のような理科

支援員の存在価値?はあるのですが、予算と各校の
校長先生の意欲に依存せざるを得ない状況のようです。


残念ながら、所沢市内の小学校では、今のところ理科支援員の制度がないようです。


私はたぶん、来年度も墨田区で理科支援員を継続することになると思います。 これからも、自宅で簡単にできる

面白科学実験を紹介していきたいと考えてお
りますので、ご自宅でお試し下さい。


ささやかながら、理科好きの子供たちが増えることに貢献できれば幸いです。