2016 11 -10 記 松岡 幸雄
10月23日(日)、東京都練馬区にある都立光が丘公園の芝生広場で、第2回目の「避難者と支
援者によるふれあいフェスティバル」が催され、私も誘われて参加してきました。
★ ゆったりとした気持ちで
主催は広域避難者支援連絡会(区の社協や関東の避難者団体などで構成)で、想定参加者数の倍の
約千人が、快晴で風もなく穏やかな緑の多い公園で、舞台を中心に会場全体が大きな輪になっての踊
り(写真)や合唱などが続き、沢山のテーブルを囲んだ席は久しぶりの再会でおしゃべりの輪ができ
、とても楽しんでいるのが印象的でした。
テントが20張はあったでしょう。焼きそばなどの食べ物やNPOの支援者や避難者団体のPR活
動などでとても賑わっていました。私たちの隣のテントに支援グループの看護学生がおり、私の血圧
(140・69)とBMI(22.1)の測定をしてもらいましたら健康優良児(?)と褒められま
した。その皆さん(写真)にマジックで驚きと笑いを振りまいてきました。
会場中に大きな輪ができて 支援者の慶応大の看護生と |
★ 「帰りたくても帰れない」
避難所で以前から顔見知りだった福島県南相馬市の80歳ほどの女性から、今後のことなどを聞き
ました。
・自宅は福島第一原発から20km圏内にあり放射能で住めない。 ・家はツナミで一部被災し除
染後に取り壊す予定。 ・屋敷300坪は地盤沈下したけれど売りたくない、でもこの先に税金がか
かるので渋々売ることになる。 ・墓の処分は手間がかかり大変だった。 ・親族から誘いがあるが
嫁との関係を悪くしたくないので二の足を踏む。 ・この先、都営住宅に「自主避難者枠」で申し込
むが6回目で中々当選できないなど、私を信頼し気を許して話しをしてもらい、とっても嬉しかった
です。
★ 日本の原子力政策は?
今もなお、東京に約7千人が避難を余儀なくされていますが、そのうち80パーセントが福島県民
です。今後の原子力のあり方が問われつづけています。
・原子力発電所の再稼働を中心に争われた7月の鹿児島県の知事選挙、10月の新潟県の知事選挙で
、国民の意識が更に明確に示されました。
・司法からの厳しい警鐘として、福井や大津の地方裁判所で原発の「運転差し止めを命ずる仮処分決
定」が出されました。
・福島原発の損害賠償と除染費用がなんと15兆円かかる、と「電事連」が試算し国費での負担を要
望しています(遅々として進展が見られない廃炉の費用は、別)
・世論は、大きく分けると「再稼働と原発維持か」「原発ゼロを目指すか」ですが、雌雄が決しつつ
あり今後の世論調査に注目です。(原発ゼロを強調している小泉元首相の講演を聴いてみたい)
・原子力事故の原因究明と検証を進め、原子力災害の総括的な調査と報告は、5年たった現在もまだ
ない。今後の復興のためにとても大事なことです。
・日本列島は幾つものプレートが集中した「地震列島」であることが、今年の熊本地震や鳥取地震で
またまた再確認され、その上に「火山大国」です。
・最後に、核のゴミである高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題の先送りは許されないことです。
フクシマの過酷な事故から、日本と私たちは貴重な体験を通してとても大事なことを学んだのです
から「一歩前に」踏み出さなければ・・・。今もまだ深刻な苦悩が続いています。
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