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春は来ぬ

                                                      
                                                         2017 2 -1   
記 仲山富夫



 酉年睦月すでに晦日になった。早いな~。

主治医から歩きなさいと言われていたのを思い出して、今日は意を決して一万歩を目標に散歩に出た。曇り日で風がな

い。

 今朝は北野天満宮目指し、紅梅がそろそろ咲き始めた頃だろうと思いながらそぞろ歩く。

参道右側を歩きながら見れば、紅梅がいくらかほころんでいた。

お賽銭は正月だからと10円硬貨(いつもは5円玉)、家族の健康を祈って柏手を打った。

可愛い梅の花を撮る。



   

北野天満宮の紅梅            北野天満宮の枝垂れ梅



 天満宮を後にして、狭い道を歩きながら古戦場跡にある白旗塚へ向かう途中の畑の片隅に、栗殻が積まれていた。腰

を下ろして覗くと殻の中から春の草が芽吹いていた。薄緑色の葉がきれいだ。風が立って小さな葉が動いた。周りには

沢山の仏の座が咲いていた。可愛い。


   

 いがぐりの殻の中から春草が芽吹いていた          仏の座          



 向こうは桑畑である。伸びた枝が剪定されていた。毎年刈られて夏を待つその木の根元は大きく盛り上がったごつご

つ瘤である。畑には沢山の桑の瘤が並んでいる。


 夏には枝葉が沢山伸びあがる。そんな光景は何度も見てきた。「そうか、第二の故郷所沢に住んで、はや四十年だな

ぁ」



冬の桑の木



 畑の中の梅の木の枝に沢山の瓢箪が釣り下がっていた。風が吹いてぶつかり合いながらコンコンと乾いた音をだして

いる。誰もいないので失礼して
入って見た。一つの瓢箪が真っ赤に色塗られて揺れていた。

 なんとも楽しいオブジェだ。作者はどんな人だろう。



オブジェ 瓢箪


 出かければ何かに「出会える」のだ。春が来ている。春が来ているんだなぁ。