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皇居乾通りの“春”を撮る


2019-4-4  投稿者 仲山 富夫


 平成26年(2014)春に天皇陛下の傘寿を記念して、『春季皇居乾通りの一般公開』が行われました。
私はその年の12月、友人と『秋期一般公開』へ参加しました。

今年、5年目となる春季一般公開へ参加した。2度目の参加である。
今日4日は風もなく穏やかな日和となった。

今回は一人で、大手町駅より坂下門へ急いだ。鴨が数羽泳いでいる桔梗濠の水面を眺めながら行くと二重櫓が見えてきた。桜田巽櫓である。江戸城本丸の東南(辰巳)の方向にあることから名がついた。富士見櫓、伏見櫓と並んで江戸城に残る櫓の一つで、三の丸に位置している。

 


巽 櫓
   
 5年前の秋の時と違って、待つこともなく坂下門をくぐった。


坂下門


 いい気持で歩いた。
 散策の先の左手に、瀟洒な宮内庁庁舎が建っていた。さらにその先を行くと左手に少しずつ坂のぼっていく道が見えてきた。山下通りである。


   
宮内庁庁舎                 山下通り


 右手に大きく広がる高台は、東御苑である。

 係員のマイクは「写真を撮りましたら、前に進んでください」と連呼している。

私は右側の東御苑の石垣を、左側の皇居の様々な建物を道灌濠を沢山写真におさめた。

   
東御苑を望む                  局 門   


   
 門長屋                門長屋としだれ桜


   
 道灌濠                  ヤマブキの群生


   
 満開の桜                右へ登ると東御苑


 道灌濠を過ぎると右手に東御苑への道があった。
大木にかくれて見えないがこの道を登ると天守台跡があるはずだ。
東御苑へは、さる328日に「葵の会」の方々と楽しく散策した。

私は乾門へ向かった。
振り返ると大勢の人が道いっぱいに広がって歩いて来る。ほとんどの方が乾門へ向かうようだ。
素足にサンダル履きの外人女性たちが、喜々とスマートフォンで写真を取り合っている。「撮りましょうか」と、話しかけようと思ったが、体の大きさに圧倒されて止めてしまった「気が弱いんだから」。

750mの道のりであるが、今回はゆっくりとゆっくりと写真を撮ることができた。
一本道の左右には黄色い綱で仕切られ入ることはできない、桜も遠くから眺めなければならない。

大勢の警察官が私達の挙動を見守っている。「ごくろうさまです」
すぐそこに乾門が在る。この門をくぐると平民の世界か、なんて思ってしまった。いずれにしても門を出なければならない。

1人だから話し相手もいない。
独り言を言った。「平成最後の乾通りの…散策だな…」「令和元年秋は誰と来ようかな…そうだ、あの方を誘ってみよう」

47日までの一般公開時のみ通行ができる乾通りでした。 春季はこれにて(完)


乾 門


           
「皇居乾通りの春を撮る」  仲山 富夫