ところざわ倶楽部          投稿作品     エッセイ&オピニオン


読書にふける・・・

                         2020 5-15     記 松岡 ユキオ
                                                      
                           
 


 最近のテレビ番組欄には、「新型コロナ」「緊急事態宣言」という言葉が「蔓延」していて、WHOが2月に命名した「COVID―19」という表記は、どこかに「消えて忘れ去られた」ようですね。

 2月上旬ころまで、市内の公民館・体育館などに出かけて「生涯学習」に関わっていた日々でしたが、中でも「マジックで笑い」を届けていた時間と場所が、ピタリと途切れました。十数人以上を対象にした集まりが「3密」となるので「新型ウイルス感染防止」のために避けられて、「STEY HOME」で「新しい生活様式」を、と叫ばれるように急変しました。

 そこで、私の日々の生活と発想を切り替えてみました。我が家の狭い庭に、昔、子どもが小さい頃に高麗川などの河原に出かけた時に使った「ビーチ パラソル」を立てました。その下に椅子を置いて、新聞を読んだり庭仕事の休憩に使ったりするようになりました。ちょっとした場の設定変更だけで、私の気持ちが、広くて緑の多い郊外に出かけたように急変しました。



最近、気になっているテーマの読書をしました。手にした本は、専門が「災害社会工学」の片田敏孝教授(東京大学・特任教授)の講演集で、お薦めです。

 みかんの花が咲く快晴の5月、春風が心地よい昼下がり、読んでいる私の手の甲に、緑色した5mm程の4本足のかわいい虫が、そっと止まって話しかけてきたようでした、「私も仲間に入れてください」と。息をこらえて眺めていましたが、ふいっと飛んでいきました。足元のジャガイモの葉の上から、私を見つめている視線を感じたのでそこに目をやると、これも5mm程の赤い背に黒い斑点が鮮やかなテントウムシが2匹、じーとして身動きしない。葉を嘗めているようです。わずかに動くものが目に入ったのでよく見ると、茶色の土の上を動き回っている蟻でした。どこからどこに繋がっているのか分からない、長い列を作って忙しそうに行き来している。獲物は運んでいない、おかしいな、これからかな?

 ふと気がつくと、7cmほどの鮮やかな青色のカナチョロ・トカゲが餌を探して動き回っていました。どうしてか、ダンゴムシには目もくれない、美味しくないのかな? 蜂が蜜を求めて紫や黄色のビオラの花を次々に飛び回っています。蜂と競うかのようにモンシロチョウも蜜を求めていました。名前がわからない1cmほどの羽根を背にした黒い虫が一瞬飛び去って行きました。

 え? 私のサンダルに、なんと2cmほどの見たことのない程の大きくて黒い蟻が急ぎ足で近づいて来ました。よく見ていると、行ったり来たりして、私に話しかけてきたのかな? いや、どうも、路に迷っているようだ。ひょっとして「徘徊」しているのではないかな? 困っているのを知った以上は見捨てる訳にはいかない。そうだ、「棲み処を探して、教えてやろうか?」・・・。

 あれ? ここは、我が家の庭であることを、すっかり、忘れていました。

 ん? 今読んでいた本の内容が、ぷっつり途切れていましたが、でも、ま、「新型コロナ」のことが頭から「完全に消え去っていた」ので、「いい気分転換ができ、素晴らしい時間」を過ごせたことは確かでした・・・・・。