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日本人にコロナ死者が少ないのはなぜか?

                         2020 5-30     記 玉上 佳彦
                                                      
                           
 

今回のコロナウイルス感染による日本での感染者数や死者数が、欧米諸国と比べて極めて少なく、奇跡に近いといわれています。実際に欧米諸国の実態と比較すると極めて低いレベルとなっています。


山中伸弥教授のファクターX

 京都大学IPS細胞研究所長の山中伸弥教授は、日本人に死者が少ないのは、ファクターXがあるのではないかと推論しています。彼のファクターXは、以下の項目が挙げられています。

  ・感染拡大の徹底的なクラスター対応の効果
 ・マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識
 ・ハグや握手、大声での会話などが少ない生活文化
 ・日本人の遺伝的要因
 ・BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響
 ・20201月までの、何らかのウイルス感染の影響
 ・ウイルスの遺伝子変異の影響



私の勝手な推論 ~腸の長さに由来?~

 私は、山中先生の推論に異議はないのですが、前述の遺伝的要因かも知れませんが、日本人の腸の長さが、欧米人に加えてかなり長いというのが死者が少ない一因ではないかと勝手に考えています。

 私は現役時代に、鶏卵加工業界で、「卵の玉ちゃん」という異名を持つほど、卵業界にどっぷりと浸かっていました。ご存じの方も多いと思いますが、約40年前に、卵によるサルモネラ中毒が世界的に注目された時がありました。

 卵由来のサルモネラ菌による中毒で亡くなる人は、アメリカやヨーロッパでは、非常に多く発生していました。そのため、アメリカのUSDA(アメリカ合州国農務省)は、鶏卵生産、製品において、非常に厳しいサルモネラ規制を課してきました。しかしながら、日本では、卵のサルモネラ菌による食中毒はわずかにありましたが、欧米ほどの深刻な状況ではなかったのです。

 その時点で、日本のサルモネラ菌による死者が、なぜ少ないのかという議論になりました。その時に、話題になったのが「日本人は欧米人より腸が長い」ため、サルモネラ中毒になりにくいという仮説でした。この説は、誰がどのような論文で報告したのか、ネットで探してみたのですが、見つけられませんでした。ぼんやりした私の記憶によるものなので、以下は私の勝手な戯言として聞き流していただいて構いません。

 大昔から、狩猟民族系の欧米人は肉食がメインですが、農耕生活が中心の日本を含めて東アジアの人々は、野菜や穀物などを中心にした食生活が一般的であったため、人間の消化器官も肉食系と草食系とで大きく違ってきたのではないかと思っています。

 今回のコロナウイルスによる死者数が、欧米諸国と比べて、日本や中国を含む東アジア諸国では、圧倒的に少ない数字を示しています。私は、欧米人に比べて東アジアの人の腸の長さが、コロナに感染しにくい体質となっているのではないかと勝手に推論していますが、私の戯言として、聞き流して下さい。