ところざわ倶楽部          投稿作品       エッセイ&オピニオン

 ≪一寸庵閑話≫  

        
暗愚なリーダーは国を乱し滅ぼす

            パンデミック後の世界を考える

                                                      
2020 -6-28  記 島川 謙二   

 

▼人類の歴史は、暗愚なリーダーにより国は乱れ破れることを示してきました。

 今、ボルトン元大統領補佐官の「The Room Where It Happened」という回顧録が話題になっています。
 彼は名門イエール大学を首席で卒業した俊英です。2018年4月に前任のマクマスターの後、大統領
補佐官に就任しましたが、トランプ大統領と合わず、20199月に解任されました。

 ボルトンは著書の中で、「トランプは自らの再選のことしか考えない、平気でウソをつく劣った大統領だ。トランプの一番親しい国主、リーダーは安倍首相だ。」と書いています。

 また黒人の人権問題がアメリカ中でデモに発展した時、マティス元国防長官は「私の人生ではじめて米国民を団結させようとしなかった大統領」とトランプを非難しました

 トランプはマンハッタンの不動産開発などで父親に学んだ「やり方」により大儲けしますが、何回も裁判で弁護士に助けられて、収監を免れてきているそうです。


    
       ボルトンの回顧録           ジャック・アタリ



▼今年2月にアメリカのジャーナリスト、マイケル・ウオルフのベストセラー「炎と怒り Fire and Furyトランプ政権の内幕」を読み、いかにトランプファミリー政権が危うい脆弱なものかを再認識しました。とにかく大統領になるなんて考えてもいない者が大統領になったわけですから・・・。
 彼は何も知らないということ。たとえば「大統領首席補佐官」がどういうものかを知らないし、知ろうともしなかったそうです。ウオルフは「臆病かつ情緒の不安定な、大統領の資質に大きく欠けた人物だ。」とトランプをきびしく描いています。 

▼巣ごもりの4月にNHKBSで「パンデミックが変える世界」を見ました。
 イアン・ブレマー(米)、ジャック・アタリ(仏)、ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエル)という世界をリードする3人の学者の話です。ジャック・アタリ氏はミッテラン大統領の顧問、欧州復興銀行総裁などをつとめたフランスの学者。

 アタリの主張 ①社会的流動性の確保が重要 がんばれば報われること ②イギリスとポーランド間に移民が多く発生し、ドイツ・フランス間は少ないのは、経済格差のせいだ。フランスは長期に必死に努力して出生率を2.2まで引き上げたが、日本は何もしていない。巨額債務と低金利が日本を破滅させよう。もしもの時、アメリカが日本を助けることはない。未来を恐れず、丁寧に未来を予測することが大切。 ③20年後、中国の共産党一党独裁体制は行き詰まる。 ④21世紀はアフリカの時代だ。

 そしてアタリは、市場と民主主義を守るために「利他主義」が重要と云います。一方、ハラリは「政府を監視する市民の力が重要」で、危機状況下の民主主義のカギは、国民がすすんで政府に協力するかどうか。それは政府が国民に信頼されているかで決まると説きます。

 ブレマーは云います。「瞑想の時間をもちなさい」「犬を飼いなさい」と。

 わが国でも、最近ペットが見直され、飼う人が増えているそうです。「良き人生」を考えるときなのでしょう。 


▼河井克行夫妻による巨額の買収事件が話題になっていますが、河井氏は「松下政経塾」出身とか。私財を投じた松下幸之助氏の願いも空しく、「政経塾」出身者に期待される清新な政治家は・・・・・。

 一方、稲森和夫氏が1983年に京都の若手経営者のために始めた「盛和塾」は、国内外に15000人の塾生という盛況でしたが、稲盛氏が高齢になったこともあり、2019年末に惜しまれて閉会とか。

 トランプ大統領が来日した際、イヴァンカに25億円プレゼントしたり、モスクワでプーチンに「ウラジーミル!」といいながら駆け寄ったり、455億円のアベノマスク等々。さらに森功の「悪徳官僚」や文春5月号・舛添要一の「安倍官邸 無能な役人の罪と罰」を読むと、日本の未来は・・・・・ですね。 



 「コロナが収束した後 世の中はどうなるでしょう? 

  男性の答え 『出生率が上昇します』

 女性の答え 『離婚率が上昇します』     (^_-) 

            (完)