ところざわ倶楽部          投稿作品       エッセイ&オピニオン


   
     
  「ラン活」   
                     
                             2021-4-6 記 山本 苗子
                                       

   

今朝もコロナの話題のテレビ。

新聞を広げて見た文字「ラン活」始まっています。の文字に頭をかしげながら興味を持った。

来年小学校の入学式を迎える子供のランドセルの購入が始まっているそうだ。


 人気のある職人さんが手作りする本皮のランドセルは時間がかかり売り切れが出るのが年々早まり本命のランドセルを決めようと「ラン活」が早まった。


 学習のスタイルが変わればランドセルの形も変わっている。
タブレットケース付きでスナップで本体に固定できる形もあるようだ。


「ふっ」と思い出した。

 私も小学校入学の時使っていたカバンがあるはず‼
私の宝箱?をひっくり返して探した。
 

 私は台湾から引き揚げて富山に住み着いた。

  私の小学校1年は戦後の何もない時。記念写真には下駄をはいている。
どうにか洋服らしきものを着ている。


 でも通学のカバンは私だけの自慢もの。

 どこから手に入れたのかズックの白っぽい布に毛糸で魚や花など私の名前もしっかり刺繡してくれ斜め掛け型の袋である。母が夜遅くまで作っている事も知っていた。

教科書2~3冊と鉛筆が入る位かな。
タブレットは無理!



 母の心のこもった作品で3年生まで使ったようだ。

 今では布は薄茶色 模様を刺した毛糸はところ所切れている。
今は宝箱と称する箱の下の方に押しつぶされていた。


「普段肩掛けバックとして使おうかな」夫の後ろ姿が笑っている。