ところざわ倶楽部          投稿作品     エッセイ&オピニオン

     久しぶりに「小手指南口夏祭り」へ行ってみた      
         
             2024-8-4     記 仲山 富夫 

                                                      

823日、我が街小手指町三・四丁目の両自治会共催による夏祭り(盆踊会)が行われた。小さな「北野公園」をぐるりと屋台が取り囲み賑やかな声が聞こえてきた。

 コロナ禍にあって三年程中止となったが、自治会の努力により小規模ではあるが開催にこぎつけたとのことだった。「ありがたいことだな」と、思った。
 
 18時開催と案内されていたが、時間前に突然拡声器が鳴り『所沢音頭』が流れてきた。会場へ向かう人たちが途端に急ぎ足で、公園へと階段を上って行った。そういう自分もワクワクしながら、杖を突きながら急ぎ足で追いかけて行った。

 日中は、パリオリンピックTV観戦していた住民が、蒸し暑い薄暮の中を小高い公園へ昇って来て
「へー、もうこんなに人が集まっているんだ?」と会話した。

 日本の夏は昔から「盆踊り」が風物なのだ。赤白の縦模様の提灯と太鼓の音と笛の音とが,気持ちをウキウキさせるのだ。

 幼いころに小遣いを手にして親をせかしながら出かけた田舎の夏祭りを想いだした。

 そして40年前に、この地に移り住み二歳の娘をつれて「金魚すくい」をしたことがあった。

 今年は、「金魚すくい用の盥も綿あめ機も置いて無いようだ、団扇を持っている人がいないな、それから踊り浴衣の人が少ないなぁ」

 そして、殆どの若い女の子たちは携帯扇風機(?)を左手に持ち顔に向けながら、右手はスマホで友人と話をしているらしい。大分年月が経ったんだな、この風景が今どきの風物詩なんだ。

突然、拡声器から所沢音頭が止まった。「あれっ」という声が踊りの列から聞こえた、みんな揃えて掲げた手を下ろした。

 わたしは思い出に耽っていたところを現実に戻されて汗をぬぐいながら、公園の時計を見ると1830分丁度、甲高い声で案内が入った

 「それではここで、地元の先生からのご挨拶をいただきます…」 

 「地元の皆様、こんばんは、本日はおめでとうございます!云々」

 いつもいつも変わらない風景だなぁ…。先生も大変だろうけど…。

帰り際、見知った自治会の方とあいさつを交わした。

 「最近は自治会に登録される住民が減っているんですよ、どの自治会も同じですね…。」

 来年は、もっとにぎやかにやりたいんです、どうかご協力をと言いたそうだった…。