ところざわ倶楽部           活動報告             民話の会

民話由来地巡り


2017 11 17   記 仲山 富夫

 

 今日は「第二回所沢の民話由来地巡り」でした。

「民話の会」会員6名が防寒服を着て所沢駅東口に集合し10時に出発した。

 晩秋晴れの雲一つないグラディーションブルーの空、ちょっと冷たい朝の風であったが日向に出ると心地よいあ

たたかさがあった。坂道を上りながら駅へ急ぐ人たちと狭い歩道を譲り合いながら、私たちはゆっくりと下り北秋

津交差点へ、さらに坂を下ると日月神社が見えた。

   
本日の由来地巡りの会員              日月神社     


  この神社は日月(じつげつ)と呼ぶ。古木の桜の葉が落ちて空がますます広く見えた。

 境内の階段を登ると「とんぼの宿り木」があった。欅の木も榎も枯れている。


   
トンボの宿り木              トンボの宿り木と力石


 会員の皆さんとの散策は楽しい。

山茶花の赤い花びらが落ちて道端に列をなしているのを見て「赤いじゅうたんだ!」「この柿は渋柿だね」

「普段来ないものね。こんなところへは? ふむふむ」こんなつぶやきが楽しい。みんな物思いに耽っているから

相槌を打つ人もいない。

 祠が道を挟んで左右に在る。手を合わせる。なんともゆったりとした時間である。



   
祠と茶畑                   道祖神


 先へ進むと茶畑が広がっていた。白い小さな花が朝日に輝いている。

 「霜が降りる頃になると、柱の上の大きな扇風機を回すんだよ」と、会員の言葉が聞こえてきた。


   
茶畑                   茶の花

  
 坂道を上がると所沢街道へ出た。左に折れて坂を下る。ほどなく柳瀬川橋がある。これより先は、東村山市であ

る。橋下を細く柳瀬川が蛇行して流れ行く。橋の右手の小高い丘の先が所沢の民話「河童の詫び証文・河童のお伊

勢参り」の由来寺の持明院である。川には鴨が泳いでいる。


 所沢方面へ戻る街道の左手に大きな「ふれあいパーク」と名の付く墓地がある。いろんな花が咲いている。

薔薇、菊、パンジー、セージ、ナナカマド、千両・万両などなど。

 会員の方の義弟がこの墓地に眠っているとお話された。

 「ちょっとお時間をください」とお参りに行かれた。

 持明院は真言宗豊山派のお寺とのこと。新しく建立された観音像があった。

   
持明院                  観音像


 持明院境内の南側の崖下が、民話「河童の詫び証文・河童のお伊勢参り」の河童が住む曼荼羅淵である。竹につ

かまりながらのぞき込むと、それらしい川の流れが見えた。


   
曼荼羅淵                   薔薇    


 突然会員が「お坊様!お坊様!河童が出た!河童が出た!」と叫んだ。

 びっくらぽんと振り返った。彼のしぐさを見て、みんな笑い出した。

 彼曰く「今度語るときに、この風景が参考になりますね」と真面目な顔であった。


 一服して、元町の神明社へと足を運んだ。

 平均年齢75歳「民話の会」会員、今日も元気です。


  
            所沢の民話 「河童の詫び証文」、「とんぼの宿り木」
                 
(旧所沢市史より)  クリックしてご覧下さい